リズムに憧れた人生だった

吉田ろくです。

今日は音楽について僕が思うことを書きたいと思います。

家を出ると、何も考えずにでもイヤホンを耳にさす。そんな一連の動作に疑問をもったことは思えば一度もない。今ここでそう書いてしまったから、一度もというのは嘘になるのかもしれない。そう考えてしまうほどに理屈っぽい僕は、音楽にしかできない表現への憧れから、音楽を聴いているのだと思う。
中学生のころから今まで、熱狂的に今まで聴き続けているアーティストがいる。冗談抜きに親の声より聴いたし、下手したら両親よりも影響を受けて育ったかもしれない。その人が歌う歌詞には、愛があり、憂いがあり、未来がある。人間を人間たらしめるものが言葉となって、音と共鳴している。
思春期に死ぬほど聴いた言葉たちからは、どんなに分厚い教科書にも負けないほどの生きる力をもらった。こんな言葉を書いてみたいと思った。言葉が好きになった。
でも、いい歌詞に出会ったとき、僕はずるいと思ってしまう。どんなに恥ずかしげな言葉でも、リズムに乗せてしまえば伝わり方がガラリと変わる。言葉が歌詞に変わったとき、ただ羅列されているだけの無機質な文字たちが、踊りながら耳に入ってきだすような感覚がする。僕は無機質なものしか作れないから、ちょっとでも近づけるようにと言葉を考えるけど、到底かなわない。多分一生かなわないんだろうけど、僕は明日もイヤホンをつけるだろう。